院長もダニアレルギーによるアレルギー性鼻炎を持っていますし、ハルガヤ・カモガヤのイネ科の雑草によるアレルギー性結膜炎もあります。この症状のつらさ、うざったさは良く分かります。
当院では、下記の検査・治療を行います。
・アレルゲン特異的IgE検査(RAST)
血液検査です。どんな物質にアレルギー症状を起こしそうかの「目安」がわかります。
実際の症状(時期)と血液検査の結果とをあわせて、矛盾が無ければ、それがアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)だろうと推測ができます。
アレルギー性鼻炎を確定診断しようとしたら、アレルゲンをしみこませたろ紙を鼻の奥において、アレルギー症状が出るかどうかを見る負荷試験が考えられますが、なかなか一般的な検査ではありません。
まずは血液検査である程度の診断を付けるので良いかと考えます。
・皮膚試験(プリックテスト)
皮膚にアレルゲンエキス(アレルゲンを液体に溶かしたもの)を垂らして、針で軽くひっかき、15~20分後の反応(赤くなったり腫れたり)を見ます。
陽性になればアレルギー症状を起こすリスクがあるかもしれません。
花粉と果物を勘違いして、特定の花粉に症状が出る人が、ある果物を食べると口の中などにアレルギー症状が出る「花粉食物アレルギー症候群」では、果物に針を刺して、それで皮膚検査をする「プリック・プリック(prick to prick)テスト」を行います。
・舌下免疫療法
スギ花粉症とダニアレルギーに関しては、現在舌下免疫療法が保険診療として認められています。
これは、スギ花粉やダニのアレルギーを起こす蛋白をラムネ状の錠剤にしたものを舌の下に入れて、唾液を1~2分飲み込まずにためておくことで、少しずつ体に取り入れ、アレルゲンに慣らしていく治療です。
初回を外来で行ったあとは、毎日自宅で実施します。最低3年間、できれば4年間続けたいのですが、4年間と5年間の治療終了後の差はほとんどありませんので、まず4年間を目標にするのが良いと思われます。ダニのデータですが、4年間行って終了後、その時点の効果は8年程度はもつようです。
効果は、だいたい治療開始から早いと1~3ヶ月、通常は半年程度で実感できるようになると思います。
同様にアレルゲンを皮下注射する免疫療法もあるのですが、注射という痛みを伴い、またアナフィラキシーなどの副作用も多いため、舌下免疫療法の方がやりやすいと思います。
詳しくは、「舌下免疫療法」の解説ページをご覧ください。
当院は、こどもの舌下免疫療法を日本で最も多く行っている医療機関の1つです。
(2019.5.14. 改訂)
(2020.5.17. 改訂)