制御性T細胞とノーベル賞と舌下免疫療法

大阪大学の坂口志文先生が、ノーベル生理学・医学賞を受賞されました。
心からお喜び申し上げます。

先生が発見された制御性T細胞(Treg Tレグ)は、免疫システムを制御する上で非常に重要で、いつかノーベル賞を受賞されるだろうと思っていましたし、免疫を勉強している人たちの間でもそう言われていました。
ちょうどこの週末(10月4~5日)大阪で開催された小児アレルギー学会で、坂口先生の特別講演があったところです。ノーベル賞の発表が数日早ければ、お祝い一色の講演会となったことでしょう。
小児アレルギー学会の会員ではないかたも、学会参加を申し込めば、後日公開されるオンデマンド動画で、この講演を拝聴できます。

さて、この Treg、免疫制御で非常に重要なわけですが、アレルギーの領域でも、アレルギー反応の制御に大きな働きをしています。
当院で積極的にお薦めしている「舌下免疫療法」でも(今や小児の舌下免疫療法では、日本で1番・2番の数を行っています)、シダキュア・ミティキュアを内服すると、それぞれスギ・ダニアレルギーを制御する Treg が増えることが知られています。
さらに、スギ・ダニによらない、一般的な免疫応答を制御する全体的な Treg も増える、と報告されています。これにより、例えばダニの舌下免疫療法を行っていると、イネ科など他の花粉症の症状が少し軽減するようです。

舌下免疫療法をなさっている皆さんの治療が、今回のノーベル賞受賞の研究と深く関連している。ちょっといいなぁ、と思っています。

 

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