経口補水液について(熱中症・下痢対策)

このところの連日猛暑で、熱中症のこども達が多く出ているようです。

こども達は背が低いために、地面からの輻射熱(照り返しの熱)を受けやすく、肌と気温との差が少ないと皮膚からの放熱が十分にできず、さらに汗をかく能力も不十分で、体温が高くなり、熱中症にかかりやすくなります。

また下痢(げり)や嘔吐(おうと)で必要な水分を取りきれないと、すぐ脱水になります。

熱中症対策は新聞・テレビをはじめ、あちらこちらに情報がありますが、日本小児科学会が公開している「こどもの救急」にあります「熱中症」の項をまずご覧下さい

さて、脱水にはまず水分補給なのですが、ただのお水を飲むだけでは不十分で、ある程度の塩分なども必要になります。
塩分補給をかねた水分補給、というと、スポーツドリンクを思い浮かべる方も少なくないと思います。ところがスポーツドリンクは塩分や糖分のバランスが汗に近く、脱水治療としては必ずしも適切な飲み物ではありません。
WHOやユニセフなどでは、「経口補水液」という概念を提案しています。これは衛生状態の悪い地域で、点滴に代わる治療を目的として考えられています。これを厳密に用意するのは難しいので、もう少し簡易版がいくつか提唱されています。

そのうちの1つをまとめます(国立成育医療センター 高山ジョン一郎先生監修 「経口補水療法のてびき」から)。

湯冷まし(きれいな水) 1リットル
砂糖 40グラム(砂糖 大さじ4杯と半分)
食塩 3グラム(食塩 小さじ半分)

これを混ぜて良くかき混ぜます。

果汁(レモンやグレープフルーツなど)を絞ると飲みやすくなり、カリウムの補給にもなります。

これを冷やして飲むのは可能ですが、凍らせてしまうと、すべて溶けるまでは飲めませんので(濃さがかわってしまうため)注意が必要です。

市販の経口補水液としては、OS-1(オーエス ワン)や、アクアライトORS(ORS が付いていないとただのスポーツドリンクです)などがあります。ドラッグストアや西松屋などで手に入ると思います。

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