食物経口免疫療法について

神奈川県立こども医療センターのアレルギー科で、経口免疫療法による治療をされていた牛乳アレルギーのお子さんに、非常に重い「有害事象」が起こった、と報道されています。患者さんとご家族に、心からお見舞いを申し上げます。

今回の詳細はまだ良く分かりません。
こども医療センターからの概要報告では、急速免疫療法だったようです。しかも、導入から3ヶ月後、維持療法中の出来事だったとのことで、これまで知られている副作用とは、少し様相が異なります。
丁度この週末に開催される、第54回日本小児アレルギー学会学術大会2日目のシンポジウム(食物アレルギー診療の最前線)のおわりに、「食物アレルギー診療における重篤なアレルギー症状の緊急調査結果中間報告および経口免疫療法に関する注意喚起」という10分間のプログラムが緊急に組まれました。
概略はここで説明されるのではないか、と思います。
元々学会には出席する予定でしたので、この緊急プログラムにも参加してこようと思います。

現在経口免疫療法を行われていらっしゃる方々は、ご不安なことと思います。
これまでにも申し上げてきましたように、体調不良時は、経口摂取量を半量に減量して経過を見て、それでもアレルギー症状が出るようでしたら、さらに半量にするか、一時中断することが大切です。「あわてない、無理しない」の合い言葉通り、慎重に進めてみてください。
何か症状があってお困りの際には、院長外来を受診されるか、お近くの医療機関にご相談ください。

もう少し詳細が分かりましたら、「ブログ」でご報告させて頂きます。